『なぜあの商品は売れなかったのか?』
『企業が売れると思った商品は高確率で売れない』
あの『イノベーションのジレンマ』の著者クリステンセン教授が描き下ろした『ジョブ理論』(英題:Competeing Against Luck)
イノベーションのジレンマは企業の競争結果をまとめたものでしたが、
今回は、具体的にどこに目をやれば、
お客さんが買いたくなるような商品/サービス
を見つけることができるのか。
なぜその商品を買うのかを紐解く一冊となっています。
イノベーションという大きな課題を解決する起業家だけでなく、
全ての商品を提供する人、クリエイター、スモールビジネサー、経営者に、いやブロガーにも
効果的なヒントを豊富な具体例から教えてくれる、
絶対にまた読み返したい本です。
このビックデータの時代に、恣意的なデータを勘違いしないでといったことも伝えていて、
本質を見極める考え方にハッとする人もいるのではないでしょうか。
クリエイターの人に特に役に立つんじゃないかと思います!
芸術家であるより、多くの人に認められる仕事が尊いと個人的には思っています。
ジョブ理論とは?
この本のど真ん中の『ジョブ理論』とはどんなものだろうか。
お客さんは『片付けるべき仕事(ジョブ)』があって商品を『雇う(ハイアーする)』
という考え方です。
当たり前だろうと思う人もいるかも知れないけれども、
これを知るにはペルソナのようなカテゴリだけでは決して見つけることはできないし、
イノベーションの多くが失敗するのは本当のジョブを知るのを怠ったからとも言える。
クリステンセン教授自身も現場を観察して気付かされることの多さを指摘している。
『ジョブ理論』は決して魔法のような考え方ではないけれども、
核心であり忘れてはならない。
もっと言えば、全ての商品/サービス開発はこの部分を忘れてしまったら、意味を失くしてしまう。
このジョブを起点にPRの一言一句、組織のあり方やKPIまで変わってくるので核心中の核心ではないか!と
そんな風にぼくは捉えました。
本書では
- シェークを買う理由は複数あった例
- 半分の機能で2倍の値段で買った例
- 紙おむつを買った本当の理由の例
- 習慣のない子供に10秒感手洗いする仕掛けの例
など様々な例があげられていて、
『ジョブ』が明確であれば、
競争相手は一つではないし、進むべき方向を間違えることはない。
またほとんどの企業は商品の機能面ばかりに囚われがちだけれども、
- 感情敵
- 社会的
- そして機能的
この3の側面全てに対処することが不可欠だということを教えてくれる。
決して機能だけが大切なわけではない。
日本の家電メーカーはまさにこの罠に陥ったような感じだと思いました。
どうやって『片付けるべきジョブ』を見つけるのか?
『ジョブ』が核心なのは解ったけれども、じゃあどうやって見つければいいのか?
どう活かせばいいのか?
は3章〜6章で詳しく書かれているので、ぜひ見てみてほしいです。
ただ簡単に見つけられるものではないということもしっかり書かれています。
『片付けるべきジョブ』ではないもの
『破壊的イノベーション』という境界線のない言葉
の乱用誤用に頭を悩ませていたクリステンセン教授は、
最後の章で、『ジョブ』を明確に定義している。
ふと『片付けるべきジョブ』はなんだろうか。
と振り返った時に忘れないようにしておきたくメモしておこうと思います。
『片付けるべきジョブ』は
- 形容詞や副詞では表せない
- 同種の商品でしか解決できないものではない(適切な抽象度)
『ジョブ理論』感想。全てのクリエイターは知るべき考え方。のまとめ
ぼくは決して理解力が高くはないので、
この本を理解しきれたかと言えばかなりあやしいですが、
少しでも新たなヒントは得ることができたし、この本出会えてよかったと思います。
- お客さんは『片付けるべき仕事(ジョブ)』があって商品を『雇う(ハイアーする)』
- 決して機能や技術だけが購買動機になるわけではない
この2つだけでも相当役に立つ考え方だと思っています。
最後の方では、一度重要なジョブを解決した起業家が陥るかもしれない3つの誤謬(ごびゅう)
についても語られていて、イノベーションを一時的なものにしないアドバイス、
イノベーションの方向を見失わないためのヒントを与えてくれている。
イノベーション、イノベーションってとても大きな企業やエリートの世界、
と引け目を感じてしまうかもしれないけれども
全ての商品を提供する人、クリエイター、スモールビジネサー、ブロガーにも必読の一冊!
- ニーズ
- ユーザーファースト
- ものからコト(体験)
とかちょっと曖昧で腑に落ちない言葉を納得させてくれる一冊でもあります。